2020/04/08 当院総合診療科の2019年度の振り返り
当院では現在救急・総合診療科として救急スタッフ3名、病棟はスタッフ2名、レジデント2名(他1名は1年院外研修)と初期研修医1~2名で活動しています。
4年前は年間200例ほどでしたが、この3年はスタッフも増えて毎年約400例の入院があります。自分らの振り返りもかねて、DPC主病名を参考に2019年度の大まかな内訳をみてみました。
・細菌性肺炎 49例
・誤嚥性肺炎 49例
・敗血症・菌血症 22例(そのうちショックが12例)
・腎盂腎炎 22例
・電解質異常(Na.K,Ca)14例
・偽痛風 13例
・圧迫骨折・腰痛症 12例
・インフルエンザ 10例(シンプルにインフルエンザだけであった例)
・脱水症 9例
・アナフィラキシー 9例
・PMR/RS3PE 8例(外来でのステロイド治療は含めない)
・蜂窩織炎 5例
・化膿性脊椎炎 5例(整形外科でみてくれる先生ができたので今は減った)
・熱中症 4例
・無菌性髄膜炎 3例
・伝染性単核球症 3例
主病名=主問題ではなく、背景にアルコールや介護問題、認知症、神経疾患(パーキンソン病やALS、多系統萎縮症の胃瘻造設も当科で行っています)などが関わりますので、その点は数字には表れてきにくいです。他科からのコンサルトや重複事例、原因不明という例もありますので正確な数字ではないですが感染症が4割近くをしめており、現場の感覚的にあうように感じました。
診断というところでいくと、印象的な事例としては‥
・発熱、倦怠感が主訴で下垂体卒中→副腎不全
・発熱、皮疹で皮膚科と共同で探した刺し口から診断がついたリケッチア感染症
・右肩関節痛から発症した悪性褐色細胞腫
・多発骨硬化像からの骨Paget病
・focus不明の敗血症性ショックということだったがやはりcommonな急性前立腺炎
・未治療のSLEから発症した中年女性のTTP
ぱっと思いついた限りでですが、1年振り返るといろんな事例があるものです。症例ごとのclinical pearlは振り返って、皆で共有し続けることが大事だなと思います。
もちろん、DPCでは表せてないような難しい事例ももちろん沢山あります。ポートフォリオを皆で書いてますが、どんな事例に取り組んでいるか、その紹介も今後できたらいいなって思います。
当科のちょっとした紹介でした。